小さな狙撃手 目次欄
小さな狙撃手 2/18
嫉妬心とは、心への隙を作る。過去に幸子は他人に嫉妬することはなかった。何故なら過去に苦汁を飲まされ生きてきた身ではるか人間を凌ぐ能力を手にしており逆に他人を見下す立場であった。だが、心のダメージを受けたときは常人の数倍のダメージを負い、嫉妬してみると常人より大きめの隙が出来てしまっている。
場所は函館護国神社。隼人と春香がイチャイチャしているとこを見て限界になったのか、あまりの羞恥心で話しかけることができなかったが今は感情むき出しで隼人に歩み寄り『ちょっと話がある』と声を掛けさっきの神社裏の茂みへ移動。
「ん?どうしたんだ...?」
茂みに追い込まれた隼人は出来る限り幸子と目を合わさないようチラチラと辺りを見る
「いいか?オレの目を見ろ!」
「ま、また昨日のようなバカなことをしたいのか...!?」
「バカかお前はッ!! あれはただ酒に酔った勢いで・・・ッ」
「第一酒を持ち込むお前がバカだろッ!! 春香と智雄から軽く信頼を失ったじゃねえか!!」
「なッ・・・・・」
ここで躍起になっていた幸子が静止。核心を突かれ返す言葉を失う。確かに幸子は実年齢は既に三十路後半に入ろうとしているが見た目に強いコンプレックスを抱いている幸子にとっては、隼人の言葉が自分の見た目を嘲ているような言葉に聞こえ、そんな捉え方をしてしまった。
拳と肩を怒りで震わせこめかみにうっすらと血管が浮き出て...
「て、てめぇ... 言わせておけば・・・」
「間違ってはいないだろッ! よーくその体と不釣合いな胸に手を当てて考えてみろよ!」
そんな隼人の言葉がさらにヒートアップ!
<ゴキュッ>
「ッ!!」
気がつくと、自分は隼人に手をあげていたのだった。
右手には血が付着し、隼人は鼻を抑えて何かを言っていたようだが何を言っているのか聞き取れなかった。
それから、自分はあのあと逃げ出したのか?目の前が霞んでいてよくわからない。何度も死と背中合わせに生きてきたのに、この目の霞みが"自ら起こした失態から背く行為"を裁く神の裁きに覚え、少しだけこの感覚に恐怖感を覚えた。
そこから先は、あまりの嫉妬心と、怒りにより覚えてない。ただ、隣には佐藤さんがオレの肩に手を回してひたすら街の中を歩き続けていたのだった
場所は函館護国神社。隼人と春香がイチャイチャしているとこを見て限界になったのか、あまりの羞恥心で話しかけることができなかったが今は感情むき出しで隼人に歩み寄り『ちょっと話がある』と声を掛けさっきの神社裏の茂みへ移動。
「ん?どうしたんだ...?」
茂みに追い込まれた隼人は出来る限り幸子と目を合わさないようチラチラと辺りを見る
「いいか?オレの目を見ろ!」
「ま、また昨日のようなバカなことをしたいのか...!?」
「バカかお前はッ!! あれはただ酒に酔った勢いで・・・ッ」
「第一酒を持ち込むお前がバカだろッ!! 春香と智雄から軽く信頼を失ったじゃねえか!!」
「なッ・・・・・」
ここで躍起になっていた幸子が静止。核心を突かれ返す言葉を失う。確かに幸子は実年齢は既に三十路後半に入ろうとしているが見た目に強いコンプレックスを抱いている幸子にとっては、隼人の言葉が自分の見た目を嘲ているような言葉に聞こえ、そんな捉え方をしてしまった。
拳と肩を怒りで震わせこめかみにうっすらと血管が浮き出て...
「て、てめぇ... 言わせておけば・・・」
「間違ってはいないだろッ! よーくその体と不釣合いな胸に手を当てて考えてみろよ!」
そんな隼人の言葉がさらにヒートアップ!
<ゴキュッ>
「ッ!!」
気がつくと、自分は隼人に手をあげていたのだった。
右手には血が付着し、隼人は鼻を抑えて何かを言っていたようだが何を言っているのか聞き取れなかった。
それから、自分はあのあと逃げ出したのか?目の前が霞んでいてよくわからない。何度も死と背中合わせに生きてきたのに、この目の霞みが"自ら起こした失態から背く行為"を裁く神の裁きに覚え、少しだけこの感覚に恐怖感を覚えた。
そこから先は、あまりの嫉妬心と、怒りにより覚えてない。ただ、隣には佐藤さんがオレの肩に手を回してひたすら街の中を歩き続けていたのだった
小さな狙撃手 2/17
一方隼人班はというと-------------------------
「ゼェ...ゼェ...ゼェ...」
「ハァ...ハァ...ハァ...」
「春香ァ...少し、休憩しないか...?」
護国神社に行く途中の約45°あると推定される坂で男子3人は既に瀕死状態。
「何よ!隼人が徒歩で行くって言い張るから悪いのよ!ほら、休んでないで行くわよ!!」
春香だけは、持ち前の体力でこの険しい坂道をズンズンと上ってゆく。男子3人も天に昇っていきそうだけど...
「でも、ちょっと堪えるわね... 」
そういって春香は両膝をさすり、近くの塀へ寄りかかり少し休憩を取る。男子たちは必死に春香の元へと向かうのですがさすがに帰宅部の隼人には少々つらい。
「あー・・・これならバスとか何かで移動すりゃ良かったぜェ...(西条)」
「それは俺も賛せー・・・(智雄)」
「春香に従えばよかった気がするけどなぁ...(隼人)」
「お前が徒歩で行くって行ったからだろ・・・ あれ見ろよ、杖のついた80歳代のおじいちゃんなんてなんとも無い顔してこの坂上ってるじゃねえか...(西条)」
「地元の人だからね...(隼人)」
「あ、春香もちょっと限界のようだね... 膝おさえてるし、(智雄)」
「どこかでタクシー拾うか...? 幸子から小遣いもらってるんだろ...?(隼人)」
「うん、まぁ... でも昨日は色々ホテルで買い物したからえっと、サイフにぃ...(智雄)」
鞄からサイフを取り出し<ジャラジャラ>となんだか不審な小銭の音を聞く
「あぁ... 万札崩したんだったなぁ、ほとんど500円玉に(智雄)」
「んなことどうでもいいからタクシー拾おうよ...(西条)」
「お、後ろからタクシーが来たようだぞ...(智雄)」
智雄が背後に指を指すその先には、"移動する為の足"タクシーが見えたが------------------
「あ、あれぇ...? なんで佐藤さんと幸子が乗ってるんだぁ?(智雄)」
よく見るとタクシーの助席の前にある電光掲示板には『賃走』と示され後ろの席には幸子と佐藤さんの姿が見えた。
「どうやら俺らと同じところに行くつもりか...(西条)」
「そのようだな...(隼人)」
通り過ぎてゆくタクシーを遠めで見送り、隼人は足を叩き、
「護国神社までそう遠くは無い!急ごうか!」
「でも顔合わせたくないんだろ?幸子と(智雄)」
「まあ..そうだけど春香が多分会いたがってるしさ...」
小さな狙撃手 2/16
甲板に出て潮風に当たりながら深く考える込む。
「(隼人に何かあるのか・・・? 珀錬の言葉を信じてみる必要があるか・・・・?)」
そう考えるが、やはり昨日の一件が記憶の奥底から掘り返され、約1.5m先に居る隼人の元へと足を運ばせようとするも途中で恥ずかしさと何らかの恐怖に襲われ立ち尽くしてしまう。
こんなに自分が弱くなってしまったのも珀錬のせいなのか。そう思うと少しずつ珀錬が憎らしくなってくる...
すると、
「あ、ここに居ましたか田中さん。」
「あ、佐藤さん...」
眼前には制服姿の佐藤さんが立っていて、なんだか少しだけ幸子に会えて嬉しそうな顔をしているのだった。
「昨日は、大丈夫でした?」
「え、あ、あぁ...」
「なんだか少し元気がありませんが、大丈夫でしょうか?もしかして酔いました?」
「いや、大丈夫だ...問題なッ-----------------」
<ズルッ>
昨日の中庭で醜態を晒した幸子にとっては隼人の次に顔を合わせたくなく、さっさと別の場所へ移動しようとしたところを、濡れた床で足を滑らせて----------------
<バサッ>
「や、やっぱり大丈夫そうではないようですねぇ...」
「ッ!!」
滑った際、佐藤さんは咄嗟に幸子を抱きかかえ、同時に周りから刺されまくる視線の雨--------ッ!
だが幸い、周りに居たほんの数人は幸子が滑って転びそうになる瞬間を見ていたため変な誤解は免れたが----------
「おいおい大丈夫か~幸子~」
「わ゛ッ・・・・・」
顔をあげた先にあった人物を見て喉の奥から、普通では人間が発音できない音が漏れ出す。何故なら・・・
「はッ 隼人・・・。」
「な、なんだよ... あ、佐藤さん。 今日の自主研修で智雄と春香と西条とで周りたい所があるから二人でどこか行きたいところに行ってて下さい。」
「はい、了解しました。」
隼人はそんな言葉を残し、また甲板の人ごみの中へと消えて行ったのだった。
隼人も相当恥ずかしかったのか幸子と目を合わさずに声を掛け、そのまま少しも話さずにソソクサを別の場所に移動したのか。
「(ついに、嫌われた・・・・・・・。)」
この言葉が脳裏に繰り返し再生されて目の前が真っ白になった。
だが何故か頬にはいつもの熱いものが伝っていない。本当になんなんだろうか。
「・・・・・・・。」
「さて、もう少しで元の船乗り場に着きますよ。 さ、立って」
「(隼人に何かあるのか・・・? 珀錬の言葉を信じてみる必要があるか・・・・?)」
そう考えるが、やはり昨日の一件が記憶の奥底から掘り返され、約1.5m先に居る隼人の元へと足を運ばせようとするも途中で恥ずかしさと何らかの恐怖に襲われ立ち尽くしてしまう。
こんなに自分が弱くなってしまったのも珀錬のせいなのか。そう思うと少しずつ珀錬が憎らしくなってくる...
すると、
「あ、ここに居ましたか田中さん。」
「あ、佐藤さん...」
眼前には制服姿の佐藤さんが立っていて、なんだか少しだけ幸子に会えて嬉しそうな顔をしているのだった。
「昨日は、大丈夫でした?」
「え、あ、あぁ...」
「なんだか少し元気がありませんが、大丈夫でしょうか?もしかして酔いました?」
「いや、大丈夫だ...問題なッ-----------------」
<ズルッ>
昨日の中庭で醜態を晒した幸子にとっては隼人の次に顔を合わせたくなく、さっさと別の場所へ移動しようとしたところを、濡れた床で足を滑らせて----------------
<バサッ>
「や、やっぱり大丈夫そうではないようですねぇ...」
「ッ!!」
滑った際、佐藤さんは咄嗟に幸子を抱きかかえ、同時に周りから刺されまくる視線の雨--------ッ!
だが幸い、周りに居たほんの数人は幸子が滑って転びそうになる瞬間を見ていたため変な誤解は免れたが----------
「おいおい大丈夫か~幸子~」
「わ゛ッ・・・・・」
顔をあげた先にあった人物を見て喉の奥から、普通では人間が発音できない音が漏れ出す。何故なら・・・
「はッ 隼人・・・。」
「な、なんだよ... あ、佐藤さん。 今日の自主研修で智雄と春香と西条とで周りたい所があるから二人でどこか行きたいところに行ってて下さい。」
「はい、了解しました。」
隼人はそんな言葉を残し、また甲板の人ごみの中へと消えて行ったのだった。
隼人も相当恥ずかしかったのか幸子と目を合わさずに声を掛け、そのまま少しも話さずにソソクサを別の場所に移動したのか。
「(ついに、嫌われた・・・・・・・。)」
この言葉が脳裏に繰り返し再生されて目の前が真っ白になった。
だが何故か頬にはいつもの熱いものが伝っていない。本当になんなんだろうか。
「・・・・・・・。」
「さて、もう少しで元の船乗り場に着きますよ。 さ、立って」
小さな狙撃手 2/15
遊覧船ブルームーン内の立ち入り禁止の部屋はどうやらただの物置となっているようだ。辺りには峰台中学の相談室にあるイスの如く木箱が乱雑しており、少し薄暗い。
呪文は未だに耳から消えず、足が止まったと同時に両耳を塞ぎ倒れこんでしまう。
「グッ・・・・・ぬぅ...な、なんなんだッ...この声は....」
幸子が言葉を発したと同時にその呪文は消え去り、そして目の前には昨日中庭で出会った奈々子似の女の子が現れたのだった。
「すまぬな、楽しそうな旅行の最中に。」
「ホントだぜチクショウ...」
うずくまっていた幸子は壁に手をかけ立ち上がり、近くの木箱をイス代わりにし座り込み足を組む
「うぬは本当に無様な奴じゃ。この解放の呪文がそんなに嫌か?」
「あたりめぇだろッ!! ワケのわからぬ声が聞こえりゃ誰だってうずくまるだろうに...」
「忙しないのう、もうちょっと落ち着けい。」
羽衣を身に纏い、昨日と全く同じ格好の奈々子似の女の子は、腕を組み幸子を少しだけ見下すように睨み、一呼吸置いて、
「妾の名は珀錬。 古代呪術をやっていてな。今は守護神としてうぬに憑依しておる。うぬが3年前に訪れたエジプトの墓でうぬに憑りついていた守護霊と守護霊交代し、現界したのじゃ。 今後うぬの世話になるじゃろうが、まあよろしく頼むわい。」
珀錬は得意げに胸を逸らし自己紹介。
「3年前に確か依頼でピラミッドに入ったが、まさか本当に呪われていたとはな~」
「ぬッ!? 妾を呪い扱いするのか!?」
「随分気の短い守護神だな... 自分で"古代呪術"って自己紹介してただろうにな...」
さすがに幸子も呆れ力なくツッコミをいれるが、珀錬はさらに躍起になり
「おのれッ!!神を蔑むのか!? 妾は呪術だけではなく人格と、うぬの健康状態を左右していたのじゃぞ!?」
「へぇ~、だからチェルノブイリで体内被曝してもまだ生きてられているのか~... しかも逆に若返ってさ~ いい迷惑だ!」
「な、なんじゃとッ!?」
珀錬の一喝により山積みされていた木箱が<ゴトゴトゴト>と轟音をあげて崩れ落ちる。
「うわっと!! オレに憑りついたってなんの得もしねぇぞ!? まあアンタのおかげでこう、好きな人も出来たり青春を取り戻せているのだがな...」
「ふんっ! うぬは、妾が憑依する前までは短気で、猟奇的な女じゃったが大分落ち着いて話が出来るようになったな...」
「ん!? それは一体どういうことだ!」
木箱から<スクッ>と立ち上がり、同時に幸子が腰掛けていた木箱が<バゴォン!!>と雷に打たれたかのように破裂し木屑が周囲に散乱する。
「うぬは、心に深い傷を負いすぎた。 夫の理不尽な死に、己の死への恐怖と残虐な人の死を到る所で目にしてきたわけじゃろ?」
「・・・・・・あ、あぁ...」
「だから妾が、"泣きたい時には泣き、笑いたい時は笑う"人格を作り上げたのじゃ。 うぬが泣き虫になったり人並みに恋をするようになったのは全部、妾のおかげなんじゃ。」
「・・・・・・・・・・・・・。」
「うぬの娘の為でもあるのじゃ。 うぬがあのままだったなきっと娘も悲しむじゃろうから...」
「・・・・・・・・ちょっとだけ、言わせてもらっても、いいか?神様よぉ...」
拳に力が入る。そして珀錬の目線にあわすように目線を下げ肩に手を置き、
「ぬ?なんじゃ?」
